Band Act
the pillows
'90年代のオルタナティブ・ロックを独自のセンスで取り入れた音楽性、そして、山中さわお(V&G)の孤高の魂から紡ぎ出されるリリックによって、ロック・ファンからの絶大な支持を得ているthe pillows。Mr.Childrenとも交流の深い彼らが最終日のBand Actとして登場、攻撃的なステージを見せつけた。
厚い雲が覆ったままの午後4時50分、メンバーがステージに姿を見せ、そのまま1曲目の「インスタント ミュージック」へと突入する。エッジの効きまくったギター・サウンド(まちがいなく、この日いちばんの爆音!)、独特のポップ・テイストを織り交ぜたメロディ、“くだらない音楽はくたばってしまえ!”というアグレッシブな歌詞がひとつになり、フィールド全体に広がっていく。
さらに山中の10代のころの感情が投影されたーー理想の自分とかけ離れているという焦燥と“やってやる!”という思いが共存するーー最新シングル「Comic Sonic」、“誰に何を言われても、好きな場所へ進んでいくんだ”というメッセージが突き刺さる「Funny Bunny」を連発。このバンドを象徴するナンバーが続けざまに放たれ、オーディエンスも少しずつ興奮を高めていく。
「the pillowsです。……暑いね」という山中の短いMCのあとは、オルタナ系ロックンロール・ナンバー「空中レジスター」へ。
そのままの勢いでthe pillowsの精神性を体現する名曲「この世の果てまで」、<世界が笑っても 自分を疑わない>という壮絶な決意を示した歌に胸を抉られる「Fool on the planet」を演奏し、約25分のライブを終えた。
誰にも媚びず、迎合せず、自らの信じる音楽を貫く。ロックバンドとしてのスタンスとプライドをしっかりと示した、最高のアクトだったと思う。
M1.インスタント ミュージック
M2.Comic Sonic
M3.Funny Bunny
M4.空中レジスター
M5.この世の果てまで
M6.Fool on the planet
(森朋之)