Bank Band with Great Artists
一青 窈

一青 窈

第二部最初のアーティストは一青 窈。
真っ白な衣装に身を包み、颯爽とステージに登場した彼女は、満員の場内を見て「ギュウギュウだな。嬉しいな」と一言。
続けて、「今は安全ですとか、まだ大丈夫ですと言われても、本当は大丈夫じゃないんじゃないかと思ってしまいます」と、最近のマスメディアの報道等を見て感じたことを素直に言葉にする。頭では大丈夫だと思っていても、本心では疑っている……きっとそんな状態は、会場にいるオーディエンスも同じなのだろう。彼女の話にうなづきながら一斉にステージを見つめる。
「そうやって心と身体がバラバラなのは不健康。そんなとき、私は日記を書いています。日記を書けない時は手紙を書きます。そこで大事なのは嘘をつかないこと。見栄を張らないこと」。
少し長めのこんなMCのあと客席に届ける手紙のように一曲目の「らぶれたぁ」を歌う。
「こんな時代だから」と中島みゆきの「時代」もカバー。
「ハナミズキ」の前には「たぶんここにいる人は立ち止まらないで歩いていくんだと思います。たとえへこたれても……私はここから祈っています。あなたとあなたの愛する人が100年続きますように」とメッセージ。ひざまずいたり、ステージの前に腰掛けたり、会場の後ろのほうに向けて手を振ったり、身体全体で歌に込められた想いを丁寧に表現。
言葉と歌、伝えたい思いが約20分間のセットリストに凝縮されたステージだった。

M1.らぶれたぁ
M2.時代
M3.ハナミズキ

(大橋美貴子)