Band Act
藤巻亮太

藤巻亮太

このステージに立つことは、大きな挑戦であったに違いない。
何しろ今年2月にレミオロメンを休止し、ソロ活動をスタートさせたばかり。
この日のセットリストは半数以上がまだ世にも出ていない新曲と、好条件を探す方が困難な状況に藤巻亮太はいた。
オーディエンスの期待も高まるなか、ソロ第一弾シングル「光をあつめて」でライブはスタート。
スタンド・マイクを握りしめて熱唱する姿には、<未来を憂うより 僕らは動き出すよ>というメッセージもあいまって、このステージに賭ける並々ならぬ決意が滲む。
最初のブレイクでは「短い時間ですけど、みなさんとステキな心のキャッチボールができたらと思ってます」と呼びかけ、アコースティック・ギターをレスポールに持ちかえて力強いバンド・サウンドで疾走。
途中で降り出した小雨もなんのその、目いっぱいに腕を突き上げてオーディエンスもヒートアップ!
「一年前はレミオロメンとして出させてもらって。でも、去年いろんな葛藤があって、ソロとしての新しい挑戦が始まってるんですけど……」と語れば、フィールドから大きな拍手が沸き上がる。
「拍手してくれってことじゃないですよ(笑)」と照れ笑いを浮かべながら、「自分の中に絆とかを大事に生きていきたい“羊” と、自分のやりたいことを追求したい“オオカミ”がいて。すごいせめぎ合ったんですけど、オオカミなモードで2曲お届けしたいと思います!」と、立て続けにプレイされた「オオカミ青年」(10月に同タイトルのアルバムをリリース!)と「月食」が圧巻。
<僕ら夢を集めていこう/命の炎が燃えてる>と、普段の温和な彼からは想像もつかないような、燃え盛る闘志を感じさせる熱唱に胸が震えたのは、筆者だけではないはず。
「知らない曲ばっかりなのに、聴いてくれてありがとう!」と感謝を届け、40分のステージを全力でまっとうした藤巻。
その表情は、大きなトライアルをやり遂げた充実感に満ちていた。

M1.光をあつめて
M2.キャッチ&ボール
M3.ハロー流星群
M4.Beautiful day
M5.オオカミ青年
M6.月食
M7.指先

(奥村明裕)


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