Band Act
Spitz

Spitz

少しだけ日が傾き始めた15時35分、最初のBand Act、Spitzがステージに姿を見せる。高々とVサインを掲げて歓声に応えた後、ヘビィなベースラインを描き出す田村明浩(B.)。そこに骨太なリズムを生み出す﨑山龍男(Dr.)のドラム、ラウドな手触りと深みのあるフレーズを共存させた三輪テツヤ(G.)のギター、そして、繊細な世界観とダイナミックなメロディを併せ持つ草野マサムネのボーカルが加わる。唯一無二のバンドサウンドが生々しく立ち上がり、胸が熱くなる。
最初のピークは、草野のアコギから始まった「スパイダー」。「だから もっと遠くまで君を奪って逃げる」というサビのフレーズでは、観客の大合唱が響き渡る。さらにライブ中盤には「空も飛べるはず」を披露。体を寄せ合ってリズムを取っているカップル、大きな声で歌っている男性、タオルを目に当てたまま、一心に聞き入っている女性。それぞれの思い出を抱えながら、大勢の人がこの時、この場所を共有している。まさにフェスの醍醐味を実感できる瞬間だ。
オルタナティブ・ロックのエッセンスと親しみやすいポップ感がせめぎ合う「恋する凡人」から始まったライブ後半も、誰もが知っているヒットチューンを次々と放ったSpitz。この夏、結成25周年を迎えた彼らはいま、さらなる充実期に突入しているようだ。

(森朋之)


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