Live Report
ap bank fes ’21 online
in KURKKU FIELDS
10/3ライブ配信 クイックレポート(2021.10.4)
3年ぶりの開催、初の無観客配信となった「ap bank fes ’21 online in KURKKU FIELDS」。
会場となったのは、ap bankの「サステナブル」というコンセプトの実践の場として、2005年にスタートしたkurkku(クルック)プロジェクトの集大成ともいえる自然循環型施設「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」だ。
今年のフェスのテーマは、ap bankのコンセプトソング「to U」の世界観とも繋がる「自分以外の誰かのためを想って」。コロナ禍により、他者や社会との関わり方を改めて考えさせられている現在、きわめて大切なテーマといえるだろう。
出演は、Bank Band with Great Artists。小林武史、櫻井和寿を中心としたBank Band、そして、ゲストアーティストのmilet、Salyu、KAN、宮本浩次、MISIAが登場し、初の生配信によるap bank fesを彩った。
オープニングは、櫻井和寿がボーカルを担った「緑の街」(小田和正)。美しい日差しと爽やかな風のなかで、質の高いバンドサウンドと奥深い思いが込められたボーカルが広がっていく。「はじまりました、ap bank fes ’21。無観客、生配信ですが、カメラの向こうにたくさんの人がニコニコしているイメージで、何かがしっかり届いていると信じてやりたいと思います!」と笑顔で語り掛ける櫻井の姿も心に残った。
「オンラインという形になり、アーティストの数も少ないかもしれないけど、今まで以上にピュアな気持ちで演奏して、見てくださってるひとりひとりに届けたいと思っています」(小林武史)というMCを挟み、ゲストアーティストが次々と登場。miletが「inside you」で壮大なスケールを感じさせる歌声を、Salyuが「THE RAIN」で繊細さとダイナミズムを兼ね備えたボーカルを響かせた後、エルトン・ジョンを想起させる派手な衣装でKANが登場。「愛は勝つ」のほか、KANと櫻井がアカペラで声を合わせる貴重なシーンも実現した。
KURKKU FIELDSの緑豊かな風景が映し出された後、イベントは後半へ。まずは宮本浩次が「異邦人」(久保田早紀)を熱唱。さらにエレファントカシマシの楽曲、ソロ曲「P.S.I love you」を全身全霊のステージングで披露した。続くMISIAは、「アイノカタチ」「歌を歌おう」をパフォーマンス。美しい夕闇のなかで届けられた、愛に溢れるメッセージとドラマティックな歌唱はまさに絶品だった。
最後は再び櫻井和寿。「沿志奏逢 4」にも収録されたカバー曲のほか、「Bank Bandで演奏する意味、集う意味が込められていると思います」(櫻井)と紹介された「奏逢 ~Bank Bandのテーマ~」、宮本とのコラボによる「東京協奏曲」、MISIAとの共演による「forgive」と、このフェスでしか見られないステージが続いた。ラストはSalyuとともに披露された「to U」。“誰かのために”という思いを込めた楽曲が大らかに響き渡る場面は、「ap bank fes ’21」のテーマを象徴していた。
10月10日(日)~17日(日)には、3日に収録したBank Bandのライブアーカイブにスペシャルライブを加えた「特別版」を期間限定配信。なお、当配信の収益は、災害復興支援や東日本大震災の復興支援として宮城県石巻市で開催する芸術祭Reborn-Art Festival、ひとり親家庭を食で支援する「spoonプロジェクト」などのap bankの活動資金に充てられる。
- 小林武史
- 櫻井和寿
- milet
- Salyu
- KAN
- 宮本浩次
- MISIA
- 櫻井和寿(左)/ 宮本浩次(右)
- Bank Band with Salyu
Text:森 朋之
Photo:樋口 涼
「ap bank fes ’21 online in KURKKU FIELDS ―特別版― 」
2021年10月10日(日) 19:00〜10月17日(日) 23:59
Bank Band with Great Artistsライブアーカイブ + Mr.Childrenスペシャルライブ